まずはじめに大事なことは、ご自分の運動能力として回復力を知ることです。これはレースに望む時にはもちろん、普段の計画的かつ継続的なトレーニングを行う上でも欠かせないことです。どれくらいの強度でトレーニングをするとどれくらいの時間で回復するか、日々のトレーニングで掴んでおくことが必要です。

通常は、実業団レベルでも大会の一週間前は、テンポ走以上のトレーニング強度は避けるのが一般的です。ただ、レースごとの重要度や大会に参加する頻度にもよりますので、すべて同じ解釈で説明することはできません。一例として調整の仕方について以下をご参考にしてみてください。

普段どおりAT心拍までの強度を中心としたテンポ走のトレーニングを行った場合、2日間で完全回復できるようでしたらレースの4日前まではいつもどおりのトレーニングで問題ないと思います。もちろん、乳酸が急激に発生するAT心拍以上のトレーニング強度は避けるようにします。

数秒間のもがきなど、乳酸が発生しないレベルで軽く追い込むのは構いません。というか、本番のスプリントに備えて疲労につながらない強度で刺激を入れておくことは重要です。

その後、レース前日までに完全回復できるよう強度を調節して、前日は完全休養でもいいですが、下見を兼ねて軽く走りながらコースを覚えられるようにしておくとよりベストです。満足できるリザルトを残せるよう頑張ってください。