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粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

2023年06月04日

バイクメンテナンス

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

中古買取りをしていると必ず必要になってくるのがバイクに貼っているシール剥がし。もちろんバイクに最初から貼っているメーカーのデカールとかではなく、防犯登録シールやTSマークなど、後からフレームに貼り付けたシール。これらのシールは年数が経過すると剥がすのが大変です。

そこで登場するのが、ロックタイトの「強力粘着剤はがし」。初めて使った時のこちらの記事でもその効果を実感してますが、今回対象となるのはフレームに貼られた相当頑固なシール。固着したシールも簡単に剥がせるでしょうか?

固着してしまうシール「TSマーク」について

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

フレームのシールは、防犯登録シールやTSマークの他にも、ショップシールなど、貼ってから年数が経っていると通常の方法では剥がすのが難しいケースが多くあります。

ショップのシールはまだしも、1年の補償期間を過ぎたTSマークは、次のオーナーの方にとっては逆に迷惑なシール。貼っている意味がないので販売前に確実に剥がしておかなければなりません。

ちなみに、TSマークといっているのは「TSマーク付帯保険」の保険に加入していることを証明するシールのことで、保険会社は幹事会社が三井住友海上火災保険。自転車取扱い店だけが扱う保険で点検を受けることが前提です。少し説明しておきましょう。

TSマーク付帯保険とは

この保険は自転車の点検とともに加入しますが、事故の際の補償内容がかなり厳しく、お客様との会話から、すでに加入されている方は補償内容を知らずに入っているケースが多いのではないかと思います。

事故で被害を被っても、死亡や重度後遺障害、15日以上の入院など重症となる人身事故以外は適用されません。ここを知らないようです。

自転車屋でも、そのことを把握している知り合いのショップさんはしっかり説明されていますが、内容を聞くと加入しない人も多いと言います。掛け金は点検料金に含まれていることが多く安価なので入りやすいのは事実ですが、自転車保険だからと十分な補償を期待してしまうとハードルが高い保険です。

TSマークは購入の時に勧められるケースも多いでしょう。でも、もし補償内容の注意喚起がなされていない状況ならば、あとで確認してから検討されてもよいのではないかと思います。いつでも入れるから。

そして、加入する場合、補償期間は1年なので、1年経ったら剥がすか再加入して新しいシールに貼り替えてもらってください。重ねて貼られたり、別の場所に貼られてしまうと、数年経って気になった時に古いのは剥がすのが難しくなります。何枚も貼られているバイクは見栄えも気になりますね。

自転車保険は、個人的には月数百円からのネットで加入できる保険のほうがよほど実用的ではないかと思う。AU損保などはロードサービスも付帯されるようです。これは便利。

TSマークの固着力を見極めるポイント

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

さて、難関のTSマークにトライ。TSマークは経過年数によって固着力が全然違う。10年以上経つと通常の剥がし液はまったく歯が立たない。シールがすぐに破れてそのまま剥がすことができないのです。フレームに貼られている中でおそらくもっとも粘着力が強いシールです。そして、一定の年数が経過すると剥がす難度がもっとも高いシール。薄いアルミ系のシールは経年劣化で固くなり破れやすいから。

TSマークは数年以内だとシール自体はそれほど劣化していないので割と簡単に剥がれるケースも多いです。3年くらいだとまだシール自体はそのまま剥がせるかな。

でも、フレームに貼り付いた糊はシールと一緒に取れる場合と、糊だけフレームにべったりと残る場合があって、今回は2020年モデルだったけど手間の掛かる後者のほうでした。このシールは3年でも糊の固着がだいぶ進行するんですね。

ショップのシールでも強力に貼り付いて剥がれないシールもあるけれども、一旦剥がれたあとは残った糊は通常の剥がし液でもすぐに除去できます。ところがTSマークは違う。フレームにくっ付いて残った粘着糊はねちゃねちゃした状態になってこれがなかなか取れない。なぜだろう?

ロックタイト「強力粘着剤はがし」の威力

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

このねちゃねちゃ糊を、ロックタイトの「強力粘着剤はがし」を使ったらどうなるか、さっそく試したところ、これは凄い。フレームにべったりとしぶとく残っていたねちゃねちゃ糊も簡単に除去できた。

ロックタイトを用意する前に市販の剥がし液で格闘していたのが嘘のよう。その時は、残った糊をただ柔らかく延ばしているだけで、除去するのに、摘まんでは取って摘まんではまた取っての繰り返し。TSマークで糊が残った時は、時間が掛かって本当に大変でした。このはがし液で一挙解決。

ただし、塗布したあとに時間を置くのは禁物。バイクの製造年数に関わらずフレームのクリアーが溶ける可能性もないとは言えず、吹き付けたら時間を置かずにすぐに拭きとるようにしたいものです。問い合わせした時に係の方も自転車に使う場合は危惧されていたので。

以前、チェーンスティの保護テープで試した時は、古いバイクでしたが実際に塗装を痛めてしまいました。

それと、もう一点注意したいこと。この液剤を吹き付ける時に、くれぐれも衣服には付着しないように気を付けたい。たぶん生地が痛みます。臭いも強烈なので、狭い場所での作業は避けたほうが無難。においが室内に充満すると、マスクしてても体にはよくないかも。

ちなみに、TSマーク貼付後の年数次第では、シールの密着性が強くて液剤が浸透していかない場合は、このリムーバーでも剥がすのが難しいかもしれない。この商品を仕入れてからはまだお目にかかっていないけれども、でもそんな場合でも、あとから紹介する方法だったらおそらく解決できるはず。

防犯登録のシール剥がし

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

自転車に貼る防犯登録のシールもやっかいなケースが多々あります。こちらもTSマークと同様の剥がし方ですが、今回「強力粘着剤はがし」を最初に試したバイクは2017年モデル。防犯登録シールは、目立たないように、ロードバイクでは一般的なダウンチューブの裏側に貼られていました。

北海道のシールは5年くらいだと比較的糊は残らず簡単に剥がれるのに、今回は糊はべたッとくっ付いたまま。保管状態にもよるのでしょうか。塗装はマット系で、この塗装の場合はどうだろうと、これも一抹の不安を感じつつ作業に掛かる。

クリアーのグロス塗装は問題ないことを確認しているけど、初めてのマット塗装では噴霧したあとさらに素早く撮影後すぐに拭き取りました。

 

よかった。マット塗装でも問題なし。ただ、車体番号を記載したシールのバーコードが一部消えてしまったので、はがし液を噴霧する時は、印刷物にはわずかな量でも掛からないよう注意したほうがよいようです。

このことから、「強力粘着剤はがし」を使う時には、フレームやホイールに貼られている表面加工のされていないデカールには液剤が付かないよう重々気を付けたいものです。バイク製造後の経過年数にもよるでしょうが、バイクのデカールから文字が消えてしまったらきっと衝撃が大きいでしょうからね。

固着したシールはドライヤーで温める

粘着力が頑強なシール、TSマークや防犯登録シールの剥がし方

防犯登録シールは都道府県によって新品の時から粘着力も様々で、こちらはTSマークほどではないにしろ、やっぱり相当の年数が経過するとガッツリとくっ付いて剥がれません。端を捲ろうとすると劣化したシールはそこだけ破れて、全部剥がそうとすると大変な労力が掛かります。爪も痛いし。

特に他府県の、裏面素材がアルミ箔のようなシールは、年数次第で劣化が進んでいると途中で簡単に切れてしまいます。千葉県もこの素材でした。

そんな頑固な防犯シールも、ドライヤーで温めると意外や意外、簡単に剥がれる。剥がし始めてシールが冷めて切れそうな場合には、再び温めて柔らかくすると、あれほどピタッと密着して剥がれなかったシールもするっと取れた。

糊が残った場合は、TSマークと同じく、ロックタイトの強力粘着剤剥がしで取り除きます。

今回は強力粘着剤剥がしを使っても、溶けた粘着剤が残りベトベト状態で取り切れなかったので、パーツクリーナーで拭き取ったあと、液体ワックスで塗装面を保護することにします。

ワックスを掛けたら、シールの跡で粘着力がいかに強かったかわかりますね。

おそらくは、固着したシールも熱風で温めると柔らかくなってほとんどが剥がせると思います。知ってる方も多いとは思いますが、店長は数ヶ月前にあることがヒントでこのことに気付きました。

まあ、やってみないと断言は出来ないけれども、柔らかくなっても劣化したシールが千切れてしまうという場合は、これまで同様、あとはカッターナイフで剥がすしかないかな。

その方法は、シールとクリアー塗装の間に刃を入れて、そのままシールだけを削れるかどうかがポイント。ちょっとでも角度を間違うと塗装が削れるし、凄く神経使います。シール剥がしの最高難度かもしれない。でも粘着剤はがしやドライヤーでも駄目だったら、あとはこの方法で剥がすしかないですね。

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