自転車修理
ロードバイクのトラブル事例3選
今年は中古バイクを準備するまでの作業時間が長くなってしまうバイクが多く、日曜日も店に出て作業することも多かったです。通常日曜日に書いているブログに向き合う時間も取れず、気付けば前回から2ヵ月半ぶりの更新となりますね。
さて、今回も買取りのロードバイクで生じていたトラブルのご紹介です。いずれもこれまで経験のない初めてのトラブルでした。中古バイクを買取りしていると様々なトラブルに遭遇しますが、もしもネットなどで中古のバイクを購入される場合は参考事例も含めて気を付けられたほうがよいかと思います。
ホイールからクイックシャフトが抜けなくなった原因

買取りバイクで微妙に振れが出ていたバイクがあって、このままでも問題はないけど気になるので振れを取るためシャフトを抜こうとしたら、このホイールはなぜかシャフトが途中でつっかえて出てこない。
こういう場合、考えられるのは落車のアクシデントによる影響。時折、右側に倒れた時に出来たシャフトのロックナットが削れているバイクを見掛けます。クイックシャフトがハブの中空シャフトの中を通らないほど曲がってしまうとその箇所を修正しない限り抜けません。
でもシャフトをぐるりと回して確認しても、どうも曲がっている様子はなく、おかしいと思ってさらに観察を続けるうち原因がわかりました。このシャフトは軽量化させるために内側が削られて平たくなっている。この形状のためにつる巻バネの先端が中空シャフトの中に入ってしまい、そこで抵抗になって抜けなかったのです。
非常にめずらしいケース。こんなこともあるんですね。とりあえずシャフトを抜かないと何もできないのでレバーを持って何度か試したけどいくら引っ張っても取り出せない。
シャフトを押して戻したら干渉しているところが緩むかと思ったらそれも駄目だった。押しても駄目、引いても駄目。仕方なくつる巻バネを犠牲にして力業で取り出しました。

軽量化といっても1本50g程度のクイックシャフトからどの程度軽量化できるかわかりませんが、このようにトラブルが起きた場合に代償が大きすぎると思います。軽量化によってシャフトが薄くなれば固定力も落ちるでしょう。
出先でシャフトを外さなけれならない状況でこうなってしまったら大変です。今回は手で抜くのは到底無理だったのでペンチで引っこ抜きましたが出先で工具がなかったらお手上げ。
本来は中空シャフトの中につる巻バネは入り込まないものですが、クイックを抜く時に平べったい箇所がハブシャフトの中から外に出た時に挟まってしまったのでしょう。ロックナット側の平べったいところでバネがガタつく状況で一緒に中空シャフトの中に入ってしまったのだと思う。
こういう形状のクイックシャフトを使う場合は、日頃から定期メンテナンスで正常に外れるか確認しておいたほうがよいですね。クイックを抜く時は最初は少しだけ移動して、もしも引っ掛かりを感じる場合はその時に対処すれば挟まって抜けなくなることはないのではないかと思います。店長は今回通常のシャフトと同じく一気に抜いてこうなりましたが軽量シャフトは今後そのように扱おう。
バックスティのエンド固定ボルトが原因で変速不良を起こしていたバイク
以前、「スマートトレーナーから下りる時は要注意」というブログ記事で、エンドハンガーが壊れてしまったアクシデントについて書きました。
その記事では最後のほうで、ハンガーが繋がる箇所が接合されているような仕様にもみえるので、そこを取り外してハンガー側を交換できないのだろうか、ということを書きました。カーボンスティにアルミのエンドをボルト止めしているためです。結果的には交換はできない仕様のようです。

ただ、接合自体はエポキシの接着剤などでも固定されていて交換はできないのでしょうが、ここにはボルトも使われています。今回のイレギュラーな接合を発見するまでは、まさかここのボルトが外れることはないだろうと思っていました。
でも、緩んで外れることもあるんですね。買取りしたバイクはなんと、なべネジに交換されていた。これはショック。気付いた時は一瞬我が目を疑った。

査定の時は変速不良を起こしていてトップギアに入らなかったためその位置はよく見なかったので気付かなかったのです。(あ、だから、ネジにぶつかるからトップに変速できないようにしていたのか!?)
もちろんトップギアに変速出来ていたらすぐに気付くことだけど想定外なのでまったくわからなかった。シフトを直していた時に外側にネジの先端が突き出ていたことで気付いた次第です。

こんなことが生じることもあるんだ。同じ仕様のバイクにお乗りの方はご注意ください。ここのボルトが緩んでいないかどうか、ディレイラーハンガーの固定と一緒にたまに確認したほうがよいようです。
今回は、形状が同じボルトが手持ちで在庫あったので、ロックタイトのねじロックで装着して無事解決。

ねじロックを使うと数日間は動くけど、一定期間が過ぎると外すことができなくなるほど強力に固定されるためこういうケース以外では使いません。
ねじロックは手組みで組むホイールの時にスポークの緩み防止のために用意しましたが、結局、ホイールを組む時にはねじロックは使わずホイールスミスのスポークプレップを塗布させています。ねじロックは組み直す時に作業に支障が生じる可能性もあるから。
スポークプレップは緩み防止にもなるけれども、どちらかというと潤滑剤としてスポークテンションを上げやすいようにニップルの抵抗を軽くするための効用が強い気がする。でも、これももう10年以上使っていない。手組のホイールは現在は一般車でたまに組むくらいでロードバイクではめっきり減りました。スポークの交点を針金で縛って補強するソルダリングなど、特殊な組み方は、もしかしたらやり方を忘れているかもしれないな。
ディレイラーハンガーにクラックが発生していた毀損トラブル

引き続き、リアエンドのディレイラーハンガーのトラブルについて。
今回も先ほどのリンク記事と同様、ローラー台絡みのアクシデントに起因して生じたトラブルとなりますが、乗車中にバキッという音がして、それ以来ホイールが外せなくなったということでご相談を受けたバイクでした。
ハンガーまわりを確認したところ、後方から見ると完全に曲がっていて、これだけ曲がると修正不能、交換しか手はありません。さらに外したハンガーには、曲がったことで割れてしまったところに隙間も見えます。バキッと音がしたのはこの時でしょう。ディレイラーハンガーとしては致命的な状態。

乗車中の状況がトレーニング中のことなのか、トレーニングが終わってバイクから降りようとした時か、どちらの時に起こったアクシデントかはわかりません。もっと詳しく聞いておけばよかった。
いずれにしても、こうなってしまうと、この状況ではバイクは一切使えません。だいぶ乗られているサーヴェロですが、結局、このバイクは手放し別のバイクに乗り換えることにされて、サーヴェロはアティックでも取り扱えるからエンドハンガーを取り寄せしたあとに再販することにして下取りで対応しました。

で、それから数ヵ月後、洗車してきれいになったバイクを点検整備している最中に、また別のトラブルを発見してしまった。ちょっとショック。
ボトムブラケット(以下BB)にガタが出ていて、サーヴェロに装着されているフロントギアはローターですが、1mm以内のガタだったらローターは左クランク側で調整できます。でも許容範囲を大幅に超えたこのガタはBB自体を交換するしか手がないと思うほど大きなガタツキ。一旦クランクを抜いて装着後、何とかならないかと再調整を試みてもやっぱり駄目だった。

その後、BBを丸ごと換えてすでに販売されていますが、このバイクも準備するまでまあまあ時間が掛かったバイクでした。でも不思議なことに、準備するまで手間が掛かったバイクほど作業が終わった時は喜びも一入、新しいオーナーの方と出会えた時はとても嬉しく感じる店長です。
