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ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

2021年09月26日

バイクメンテナンス

ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

ロードバイクに乗り続けていると、走行中に気になる異音に遭遇することがありますね。なかには原因がわからなかったり、音が発生していると思われる場所が実はそこが発生源ではなくて別の場所が原因していたりと、ある程度経験を積んで慣れていないと原因が特定できない事象もあるかと思います。

異音は、急に鳴り出したり、しばらく乗っていなかったバイクで発生したりと様々です。そこで、最近、店長が経験した異音とその解決法を3つほどご紹介します。初めて乗るバイクであっても、知り合いの方からとかバイクを譲り受けた時に遭遇するかもしれません。参考にしてください。

スプロケットで発生していた音鳴りの原因

ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

1つめは、10日ほど前の出張買取のバイクに発生していた異音。出張の場合は屋外でバイクを査定するため、状態を点検している時には気付かない場合があります。今回のスプロケットの異音もそうでした。

静かな室内と違って屋外では車の走行音などいろんな音が飛び交っていますからね。今回のケースでは、査定でバイクを点検中は変速はまったく問題ないのでギア周りは何も支障がないと思っていたら、静かな店内で整備点検している最中、何やらゴトッゴトッという音が聞こえます。

音は奇妙なことにロー側のギア3枚だけ。4速目もごく軽く音鳴りのようにも感じるけどこれは一応許容範囲内。4速から下は異音はしない。こういうケースがこれまでなかったか、シマノのサポートに聞いてみました。

いつも穏やかに応えてくれるサポートの方もあまり経験ないらしく、ロー側の3枚だけを別のギアに替えたのかもしれませんねとの回答。そこで、洗車後にきれいになった状態でスプロケットを外して確認してみることにしました。

11s対応ホイールに装着されていなかったロースペーサー

ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

洗車中に気付いたことがあります。ギアをブラシでクリーニングしている最中に、ブラシで歯先を擦るだけでギアがグラグラしてました。あっ、これはロックリングの緩みが原因だなと思いました。最初は。でも全体がグラグラしてるのになぜ異音はロー側3枚だけなのか、疑問は残りつつも、ホイールを外して確認してみると、ロックリングはしっかり締まっている。

ということは、他に考えられるグラツキとなる原因は、ロースペーサーの未装着。スプロケットを外してさっそく確認。ああ、やっぱり装着されていない。

このホイールはフルクラムのレーシング3で11s対応です。コンポは10sアルテグラ。このフリーボディに装着すべきロースペーサーは、11s以下を装着させる時に必要な1.85mmが1枚と、10sギアを9s対応ハブに装着させる時の1mmスペーサーが1枚。でもこのホイールには1mmスペーサーしか装着されていません。

そこで、1.85mmスペーサーを用意して、一旦スプロケットをすべて外し、1mmスペーサーと2枚順番通り装着して変速を確認してみると、異音は無事解消されました。

以前も一度だけ、持込みのメンテナンスバイクで1.85mmスペーサーが装着されていないことがありましたが、その時はシマノホイールで、グラグラは同じでもこんなゴトゴト音はしませんでした。

3枚だけ音がしたのは連結されているためでしょうが、なぜフルクラムではゴトゴトと音がしたのか不思議。これはフリーボディのスプライン形状とか、仕様に関係することなんでしょうか?

ところで、スプロケットを再装着した時にあらためて気付いたことなんですが、「1mmスペーサー1枚だけ」と「1mmスペーサー+1.85mmスペーサー」ではロックリングを装着する時に、トップギアの外端の位置が違うことから締め付けの固定感も違うのですぐにわかるはずです。

写真の左が「1mmスペーサー1枚だけ」の装着時、右が正常な「1mmスペーサー+1.85mmスペーサー」装着時。ボディーの外端からトップギアが浮いている状態でなければ固定することができません。ご注意ください。

もし、10sのスプロケットを装着する前に、ホイールの対応スピードがわからない時は、フリーボディのギア装着箇所を実測するとよいです。今は10s専用ハブは製造されていませんが、実測35mm(測定位置によって±コンマ数mm)だったらそのホイールは10sも装着できる9s対応ボディです。この11s対応ホイールは外端から実測36.7mmでした。

2種類のロースペーサーを装着する時の注意点

シマノスプロケットの装着を前提としているホイールは、フリーボディの対応スピードによって上記のように1mmや1.85mmのスペーサーを装着して使用しますが、これはホイールメーカーの仕様によっても変わります。

MAVICなどは、今は生産されていない自社スプロケットを前提としたフリーボディのため長さが37mmです。アクシウムなどモデルによってシマノの10sまで対応ホイールも出てましたが、それ以外は37mm。MAVICホイールに2mmのスペーサーが付属している場合、11s以外は装着し、11sは未装着で。MAVICホイールで、10sコンポをお使いのバイクに2mmスペーサーがたまに装着されていないケースがあるのでお気をつけください。もちろんギアはグラグラします。

コンポーネントのスピードの違いによるギアとホイールの相関関係について、もっと詳しく知りたい方は以下の記事がお役に立つと思います。

ロードバイクホイールに装着するギアとフリーボディの互換性
https://www.attic-bike.com/blog/article-242/

11Sロードホイールへの8/9Sギアと10Sギアの装着方法
https://www.attic-bike.com/blog/article-246/

なお、今回のようなイレギュラーな組付けの場合は、トップギアの装着位置も変わるため、リアディレイラーも再調整が必要になると思われます。(おそらくトップギアに落ちないケースもあるかと…)

ちなみに、10sから11sコンポへ換装したい時に、10sギアを装着しているホイールをそのまま使いたい場合もあるでしょう。10sギアが装着できる9s対応ホイールには、通常はリンク先ページにも掲載のとおり、11sギアは物理的に装着できませんが一つだけ方法があります(シマノ製品で)。それはCS-HG800(と、HG700)の11-34Tスプロケット。この11sスプロケットは、34Tのローギアがオフセットでベースに取り付けられている仕様のため装着できるのです。

グラベルロードなど、10sから11sコンポにしたいけどホイールはそのまま使い続けたいという方には朗報ですね。リアディレイラーは34T対応のミディアムケージをお使いください。

ハンドルまわりのバキバキ音

ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

2つ目の異音も買取りバイクで生じていたものですが、この音は凄かった。ハンドルを回すたびにバキバキと音がしていて、左に回してもバキッ、右に回してもバキッという音が聞こえてくる。最初は何が原因しているのかまったくわからなかった。

バキバキ音はハンドルを動かした時だけ発生するので、つぶさに観察しながら音が発生しそうな場所に耳を近づけて確認してみると、どうやらダウンチューブのアウターストッパー付近から音が出ているようです。

で、ケーブルを緩めて確認したのが上の写真。アウターの被膜は徐々に縮んで中の鋼線が出てくるもんですが、このバイクはその鋼線が錆びて広がったため、ストッパーの中で引っ掛かってこの音を発生させていたのですね。

ケーブル交換はシフトを優先してブレーキのほうは後回しという方もいるかもしれません。でも、ブレーキケーブルも定期交換で一緒に替えたほうが無難です。特に通勤などで雨中走行が多い方はお気をつけください。アウターケーシングの中が錆び付いてインナーケーブルの動きに支障が出るのはブレーキのほうが圧倒的に多いから。

グリスアップで解消したホイールの異音

そして3つめはハブ周りの異音。こちらはホイールが回りだすと音が鳴り出します。ギアが回っていなくても鳴っている。

音は擦れるような金属音ですが、フリーボディの根元にあるラチェットの爪が原因しているか、ハブのベアリングが原因しているか、たぶんそのどちらか。クランクを回している時もなっているので、ハブのほうかもしれない。

まずは作業時間が短く済むフリーボディから確認するため、ボディを外そうと中空シャフトを抜きました。左右連結されているのは明らかだったので、シマノと同じくシャフトを抜いたら六角レンチで外せると思ったら、GIANTはボディの装着方法が違っていた。

このバイクはフリーボディを抜く時は専用工具が必要なようだから、GIANTは扱ってないのでこちらの作業は断念し、次にもっと可能性の高いハブのカップ&コーンのほうに移ってベアリングを取り出しグリスアップを試みる。

結果、音鳴りは止みました。グリスは真っ黒状態で、鋼球は色焼けしてましたがそのまま使えるようだから、左右ともカップとコーンをパーツクリーナーで洗浄後、ボールレースをきれいにしてから新しいグリスを充填して作業は完了。

音鳴り確認の時に、ホイールにガタがないか確認している最中、ガタはなかったけど強く押すとギシッという感触があったのだけれども、エントリーモデルに使われているグリスは経年劣化で固化してくると鋼球に付着しづらくなるのでそれが原因かもしれない。もちろん、グリスアップでこのギシッはなくなりました。

パンクでお持ちになられたバイクで起こっていたパンクの意外な原因

ロードバイクで発生する様々な異音、その原因と対策

数日前、パンク修理のためにお持ちになられたバイクですが、チューブを外そうと思ったら、バルブをリムから抜くことができなかったという、初めての経験をしました。珍しいケースなのでちょっとご紹介します。

写真のとおり、なんとバルブがリムテープを突き破って、バルブの根元のゴムがリムのバルブホールに食い込んでいる状態でした。

なんでこんなことになったのか。リムテープの穴が大きいのと、バルブの根元のゴムが弱かったのかな。それとフレンチバルブにしてはバルブホールの穴も大きいかな。

今回はチューブ交換と、リムテープの交換で対応しましたが、ほかにも廉価バイクのホイールは気を付けたほうがよいことがあって、ロードバイクでもママチャリと同じゴムのリムテープを装着しているケースがありました。信じられませんが事実です。

こういうありえない仕様で生産している国の現地メーカーは、コスト第一主義なのか、このメーカーを知っている方なら知っていると思いますが、ゴムでは高圧に耐えられませんね。スポークホールの穴でくぼみが出来て、最終的には穴の角でゴムが擦り切れパンクします。

ゴムのリムテープでは走行中にパンクしたら大変。さすがに替えのリムテープまでは携行しないでしょうから。トラブルが起きないとわからないことかもしれませんが、新車で安すぎるバイクは気を付けたいものです。

ちなみに、こういう場合もパンク修理セットを携行していたら、パッチを使えば擦れた箇所を一時的に補修できます。パッチはチューブの穴を塞ぐ以外にも、ガラスを踏んで裂けたタイヤの応急処置とかいろいろ役立ちます。パンクに備えてチューブしか用意していない方も、携帯用の修理キットを準備しておくとよいかと思います。一応、糊なしで貼るだけのものよりも、ゴム糊付きの修理キットがおすすめ。

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