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ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

2025年05月12日

バイクメンテナンス

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

STIレバーの作業中に、バキッという音がして何事かと思ったら、その後、固定ボルトのワッシャーが砕け散った。レバーの傾きを左右同じにしようと右レバーの固定ボルトを緩めた瞬間、それは突然起こった。その音にビックリ仰天、初めての経験です。

STIレバー固定ボルトのワッシャーが割れたのは過剰なトルクが原因?

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

ここのワッシャーは金属だと思っていたけど違うようですね。メッキした樹脂のように見えるが磁石にはくっ付くので金属の成分も入っているようす。

ブラケット側は6分割に割れた箇所がキズ付いている。最初はキズとは思わず、均等に6ヵ所が線上に盛り上がっているように見えたので、緩み止めの仕様でそうなっているのかと思った。そのため段差が生じることから割れたのかと。

これまでレバー交換で外したあとに、この仕様の固定ボルトを抜いた状態のボルト装着面はじっくり見たことがなかったからそう思ったのだけれども、左レバーのほうを確認すると、手で触って膨らみを感じるこの6ヵ所は樹脂がキズ付いた跡だと判明。

ワッシャーが割れたということは過剰な締め付けトルクも一因でしょうか。このキズは緩めた時に割れて付いたものとは考えにくく、作業前に既に割れていたのだろう。乗車中割れた状態でブラケットに力が加わり続けたために付いたのだと考えられる。しかし、通常の作業で強く締め過ぎたからといって割れるだろうか?

今後はこのボルトを緩める際はワッシャーの状態をよく確認してから作業しよう。少しでも亀裂が入っていたら、交換必須。今回は急ぎのため同じ径のステンレスワッシャーがあったので少し加工して装着した。

それにしても、きれいに均等に6等分に割れたのは摩訶不思議。右レバーの割れたワッシャーを拾い集めて4かけらと正常な左レバーの装着品とを比較してみました。なぜ均等に割れたのかは疑問ですが、撮影の時に、割れたほうのボルトの側面に打痕を見つけた。

この打痕が意味するものは?

ここで生じたトラブルは、過剰な締め付けトルクだけではなく、何かのはずみでボルトに何かが当たってその衝撃でこんな状態になったのだということがわかった。通常はブラケットカバーで覆われているから、捲らないと見えないボルトに何が起きたのでしょうか。金属がこれだけへこんだということは相当な衝撃ですが、ほんとに摩訶不思議です。

ともあれ、ワッシャーの割れはレバーが緩む原因にもなるから、知らずに乗っていると危ないですね。気を付けたいものです。

変速不能にもつながるシフトケーブルの断線

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

今回、STIレバーで起こっていたもう一つのトラブルは、別のバイクで生じていたケーブルの断線。ブラケットの中で切れると厄介なケースもあって、レバーが動かないから心配したものの、今回もユニット内に絡まっていた切れっ端をなんとか取り出すことが出来てひと安心。

変速レバーの使用不能にもなりかねないこのトラブルは、普段あまり見ることのできない処理作業でしょうから写真を交えて少しご紹介します。

断線して動作不能のSTIレバーはブラケットカバーを外して作業する

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

5700系105のインナーケーブル挿入口はブラケットの下側になります。他のモデルよりもさらに作業性が悪く、途中で断線したユニットを操作する時はブラケットカバーを外さないと作業できません。

正常な変速動作でもカバーを捲った状態では解除レバーが機能しませんね。ユニットをレバーで動かしながら作業するので断線トラブルの際には必ずブラケットのカバーを外します。

ユニットの中を見るため樹脂のカバーも外したらインナーケーブルのタイコが見えたので、これは取り除くことができる状態だと確信できた。ケーブルの挿入口には切れた先っちょがはみ出しています。挿入口から少し離れた右側に見えるのがケーブルのタイコ部分。

5段目(トップギア側から)のところで、切れてばらけた先端がユニット内で絡まっていた。

ユニット内からケーブルが取り出せるかどうかはユニットが動かなくなった位置次第

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

今回は、切れたところが5段目で、ちょうどタイコの頭が見える箇所だったので良かった。ユニットの動作はほつれたインナーケーブルが絡まって解除も巻取りも機能しなかったために、タイコが隠れる9段目以降の段数箇所で切れていた場合は取り除けなかった可能性が高いから。

断線ケーブルを除去したあとでユニットを動作して確認してみました。ユニットの樹脂カバーを外しても、トップギアの位置では、当然ながらここからはインナーの挿入箇所はまったく見えません。

トップ側の変速位置で切れた場合は2段目だったらまだケーブルの頭が見えるので、そちら側から取り除けると思うけれども、3段目以降は外側からも内側からも隠れてしまうため難しいかもしれません。

今回ユニットが動作不能になった箇所がこの変速位置だったのは幸いだった。これまでユニット内でケーブルが断線したケースでは比較的レバーは動かせるケースが多かったけど、この事例のように断線ケーブルのばらつきがひどくレバーが動かない状況になると、場合によってはレバーごと交換せざるを得ないケースもあるかと思います。

インナーケーブルが断線する前の対処方法

ロードバイクのSTIレバーで起こっていたケーブル断線とブラケット固定に関係するアクシデント

こういうふうにケーブルが切れるのは一度に全部切れるわけではありません。撚っている鋼線が1本づつ徐々に切れていくわけですが、使用していく中でシフトの感触がいつもとちょっと違うなと感じたら、そのタイミングで交換をお勧めします。

1本が2本、2本が3本と次々切れていくたびに、変速の抵抗も増していきます。完全に切れる前であっても、インナーがほつれた状態では取り除くことが難しくなるケースもありますから、シフトレバーの動きが変だなと思ったらその時点でぜひ交換してください。

シフトワイヤー交換は、使用頻度と走行距離にもよりますが、毎日乗っているのでなければ2年に1回くらいでよいと思います。通勤とかトレーニング頻度が高ければ、1年に1回換えておいた方が安心でしょう。特に雨天でも毎日乗る方は1年に1回の交換が必須です。

変速する時に、できる限り機材への抵抗を少なくスムーズに変速する方法を学ぶことが出来るなら、インナーケーブルの耐用年数も必然的に長くなるかと思います。この変速方法、ストレスなく変速のしやすいギアチェンジの仕方はフィッティングサービスの「オプションサービス」で体験いただけます。

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