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内装式カーボンハンドルで注意すべきこと

2021年05月16日

パーツ換装

内装式カーボンハンドルで注意すべきこと

アティックではお持ち込みの部品交換もお受けしています。お受けできる場合とできない場合がありますが、今回はハンドルをカーボンに換えたいというご依頼でした。

部品交換の作業は少しお時間を頂戴します。現在のところまだ何台か作業待ちのバイクがあるため、ケーブル交換を伴う内装式フレームの場合は最短でも1週間ほどのお預かり。今回のようにハンドルも内装式だとさらに時間が掛かるから、いまお預かりする場合はもうちょっとお時間を頂くかもしれません。

アンカーのRS8装着ハンドルをカーボンハンドルに交換

内装式カーボンハンドルで注意すべきこと

今回は、電話でのお問い合わせ後お持ち込みになられたアンカーのRS8。先週、洗車をご依頼いただいた方に、4月に買取りした同じRS8のELITEモデルをお買い上げ頂きましたが、そのとき購入された動機はフレームのロゴデザインがきっかけでした。2020年からダウンチューブのロゴが「BRIDGESTONE」に変わりましたね。

長年親しまれた「ANCHOR」ロゴを惜しむ声もあるようです。「ANCHOR」ロゴの最後を飾る2019年モデルということで、これを逃したら手に入らないと決断されたご様子。このバイクは元のオーナーの方をよく存じ上げている店長としても、然るべき意識の高い方に乗って頂きたいと切望していましたので、英断された今回のご注文をいつにも増して大変嬉しく納車させてもらいました。

さて、ハンドルの交換について。持ち込みのバイクは、「BRIDGESTONE」のロゴとチェーンの使用具合から切り替わり初年の2020年モデルだと思います。まだ新しいバイクだし、ハンドルを換えたいとの問い合わせで一応受けることを前提に現品を確認させてもらうことにしました。お持ちになられたのは内装式のカーボンハンドル。

持ち込みの部品によっては、修理メンテナンスの案内ページに掲載のとおり、通販等で購入された新品部品の組み付け作業はお受けてしていません。品質に起因するトラブルが発生した場合に備え、補償問題が起こっても困るからそのようにしています。

中古でこれまで使用していて問題ない部品は持ち込みでお受けするケースもあります。ただし必ず現品確認後となります。特にカーボンは要注意。中古バイクで以前ハンドルに亀裂が入っていたことがありました。カーボン製品はシートポストもですが締め過ぎは禁物。今回は受けましたがカーボン製品は今後も受けるかはわかりません。

内装式カーボンハンドルで気をつけたいこと

内装式のカーボンハンドルを交換するときは、まずハンドルを取り外す前に、フレームにケーブルライナーを装着します。インナーケーブルを途中でカットしてライナーを入れたら古いインナーを引き抜いて、新しいインナーのルーティングを確保するわけですが、言葉では簡単だけれどもこの作業でもけっこうな時間が掛かります。

特に、ケーブル内装式フレームといってもBB裏の仕様やチェーンスティの仕様でもやり方が違うので、まずその内装仕様を確認することから始めます。仕様がわかって作業方法を決めたらあとは一気に作業するのみ。日中の作業の場合は、一定の作業段階まで途中で中断したくないので内装式フレームのケーブル交換は迅速かつ慎重に。

フレームのルーティングが終わったら次にハンドルを付け替えて、ハンドル内にアウターケーブルを通します。ハンドルにも内装式は様々な仕様があって、今回はスぺシャのハンドルですが、ショルダーの内側に空けられている挿入口が狭く、ハンドル内を通るシフトとブレーキのアウター位置を適正な状態にしておかないとアウターのコーティングに影響が出ることもあるようです。

ケーブルを装着し終えてレバーを握って初期伸びを取っている最中、穴の角でアウターが擦り切れてしまいました。インナーにずいぶん遊びがあったようで、ブラケットのアウター挿入部から先端が抜けてしまいそれでアウターが動いてこんなふうになってしまったんですね。先端もめくれてこれでは使えない。

外装式ハンドルではありえないことですが、ハンドル内でブレーキアウターがシフトアウターの下に重なってしまったのでしょう。挿入口で若干斜めになってるなとは思ってましたが、ハンドル内の様子は外からわからないので気にもせずに何度かレバーを握って初期伸びを取ってたらこんな状態に。

ケーブルの装着は通常はブレーキから始めて次にシフトを装着するので、内装式でも今までそのようにしてましたがこの順番がよくないようです。これまで一度もトラブルがなかったので気付きませんでした。挿入口が狭い内装式ハンドルは、シマノの新型ブラケットでは下側になるシフトケーブルから先に装着したほうがよいようです。

危うく装着不能になりかけた内装式リアブレーキのアウターストッパー

内装式カーボンハンドルで注意すべきこと

今回はもう一つイレギュラーなことが起こって、その原因がリアブレーキのアウターストッパーを止めるネジ。

部品としてはとても小さいですが、このネジは内装式フレームで重要な働きをしています。内装式では今はこのようにアウターストッパーをフレームに埋め込んでネジ止めしている仕様が多いですね。

このネジがもしも固着してしまったら、アウターストッパーが埋め込まれた状態でインナーケーブルを交換するのは至難のわざ。小さいネジなのでレンチのネジ穴も小さく舐めやすいからこちらも要注意。今回も最初は固くて舐めそうだったから外す作業は一旦中止して、ネジすべり止め液を垂らして再挑戦したらなんとか外れました。ドキドキのひとときでした。

ネジすべり止め液は作業後はきれいに拭き取ります。そうしないと、別の方が作業するときに知らないと他のトラブルを引き起こすから。

内部はそれほど丈夫な作りではないため、ネジもそんなに力いっぱい締める必要はありません。アウターストッパー自体は常にワイヤーで押さえつけられているので動く心配はまったくないし、ネジが緩んで外れない程度に締めていれば十分です。

このネジにはグリスが塗布された形跡はなかったので、今回は先っちょにだけ付けておきました。固着防止のためにも小さくてもネジにはグリスが必須。特に固着してしまったら大変なことになる箇所には忘れずに塗布しておきたいものです。店長も一般車で錆びたネジ一つを外せないおかげでパーツ交換見送りとなったケースを何度も経験しています。

小さいネジにはこんな感じでちょっとだけ。グリスは適材適所で使い分けたほうがよいですが、今回使ったのはフィニッシュラインのテフロングリス。べとつかず使いやすく重宝しているグリスです。防錆効果があって、耐水性・耐熱性・耐圧性にも優れているとのことで評判もよいようですね。(グリスの耐圧性ってなに?)

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