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スポーツトレーニング講座

手軽に行え確実に体力アップできるのが心拍トレーニング。誰にでも簡単に始められます。効率よく伸ばしていくその方法をあなたにも!どうぞ体力アップにお役立てください!

心拍数の推移を解析します

photo 測定結果を方眼紙上に、縦軸に心拍数、横軸に時間の目盛をとって折線グラフにしてください。

■A: 心拍数(Heart Rate、以下HR)が上昇していく時に、その値が途中で上下する場合もあります。これは血液中の乳酸を酸素が分解しているからです。運動能力がまだ未発達の方では、酸素の供給能力が弱いことから比較的直線的に上昇する傾向にあるようです。

体内では、エネルギー産生の時に副産物である乳酸が一定の割合で発生していますが、その一定のペースを越えた分を除去するために、赤血球中のヘモグロビンに含まれる酸素の供給量がそれまでよりも多くなります。そのため相対的に酸素が含まれる血液の拍出回数も増加します。過剰な乳酸が除去されるとHRはいったん下がります。その後も、一定ペースでエネルギー産生と乳酸除去が繰り返されていきます。

■B: 測定開始からまもなくして上昇率のカーブの変化が大きいところが、LSDトレーニングをする時の目標範囲の下限値です。

血液中の酸素を供給する時に一拍あたりの血液の拍出量を徐々に増やして対応していたのが、ある強度以上になるとその必要とされる酸素の供給量に対応しきれなくなり回数を増やすことで補い始めようとします。ある強度というところがすなわち、LSDトレーニングを目的とする時の境界線となります。回復トレーニングを目的とする時はこのHRを超えないように注意しましょう。

(※余談ですが、血液の拍出量には個人差があり(普通は70〜80mlくらい)、同じ強度でトレーニングをしているアスリートの心拍数を比較した場合、それぞれに数値が違います。これは一回あたりの血液の拍出量がそれぞれ異なるためです。
一般的にはトレーニングを続けていると心臓容積が大きくなり、スポーツ心臓に変化していきます。その結果一回あたりの血液の拍出量が多くなり、相対的に心拍数値が減少してきます。しかし、数値が高いから運動能力が低いとは一概には言えません。もともと高回転型の心臓を持っている人もいるためです。このことから、複数の競技者の心肺機能を比較した場合、おもしろいことに自転車の走行スタイルと似たような傾向がみられます。それは、高いレベルの選手にも、一回の拍出量が少なくても高回転で血液循環している選手と、一回の心拍出量が多いトルク型とも言える2通りのタイプの選手がいるということです。ただ同じ強度で比較した場合、どの競技者の実力が上かは判断の難しいところ。心拍測定をして計算式で割り出せば一目瞭然ではあります。もちろん、走行スタイルと心臓の機能には相関関係はありません。)

■C: さて、HRはその後もどんどん上昇していき、途中から傾斜が緩やかになるところが、有酸素運動から無酸素運動に切り替わるAT領域です。個人差もあり、運動能力が低い人でははっきり傾斜の違いが見られない場合もありますが、大体10分前後から15分くらいの間におとずれると思いますので注意して見てください。

この領域では次のようなことが行われています。

運動強度が高くなると、エネルギー産生に使われていた酸素が、それに伴って発生した乳酸を除去するためにもより多く使用されるのでさらに供給量が増えていきます。ある一定水準を超えると消費量に対してその供給量が足りなくなってきます。すると、なおも運動を継続させるために、今度は酸素を必要としない無酸素性エネルギー産生システムに切り替わっていきます。
(※無酸素性の運動とは?;筋線維内のミトコンドリアで血糖すなわちブドウ糖をエネルギーに変換させるときに酸素を必要とせず、副産物の乳酸は肝臓で分解しエネルギーとして再合成させて使っている。このときに酸素を必要とするのが有酸素運動。)

この無酸素運動では、エネルギーがつくり出される時に酸素を必要としないため、エネルギー産生の上では直接HRには反映されなくなります。しかし、依然として乳酸を分解するのに多くの酸素が使用されることにより酸素を運ぶ血液の運搬回数も増えるため、ますますHRは上昇します(この辺りから酸素の使用量も格段に増え、肺が圧迫されて息苦しくなり呼吸も苦しくなってくるはず。場合によっては酸欠で頭痛を感じることもあると思います)。

このAT領域までが、有酸素域で長時間運動できる範囲です。一般的にAT・HRを越えるトレー ニングの場合30分以上持続させることは困難です(もちろん個人差はあります)。しかし、運動能力が高くなりますと、毛細血管もどんどん増えてそれに伴い酸素の摂取量も多くなって、それまでの同じ強度と比べるとはるかに楽に感じるようになるでしょう。即ち、有酸素運動域が広くなることからAT値が最大心拍数値に近くなり、強度を上げても無酸素域での運動量が少なくなるということです。酸素の取り込み量が多くなると乳酸の回復力も強くなるのでAT近くでの継続時間も長くなります。乳酸を分解し除去して再利用するサイクルがはやくなるためです。

トレーニングではこの時の有酸素域と無酸素域のHRを基準にして目的とするメニューを組みます。


心拍測定データ

このファイルをお使い頂きますと、心拍の推移を自動でグラフ表示できます。また、測定データに基づき、その心拍数が被測定者の運動能力のどのレベル(運動強度)に該当するかを自動的に算出します。トレーニングの際の参考にしてください。
※このExcelファイルは武藤 俊雄さんのご協力で掲載いたします。ご提供感謝いたします。ありがとうございました。

ダウンロードはこちら

[ご使用方法]

  1. まず、「安静心拍数」と「最大心拍数」のセルに、それぞれ該当する心拍数を上書き入力します。エンターキーを押しますと、「心拍可動域」が算出されます。
  2. その後、実際の測定データを、上の表の「サンプル」各行の時間とスピードごとのセルに打ち込んでください。あらかじめ数式が埋め込まれていますので必ず上書き入力してください。順次、測定データごとの運動強度の数値が下の表に自動算出されます。
  3. サンプルは3人分に対応しています。ご使用にならないサンプル行は削除してお使いください。
  4. .測定データに基づきグラフが表示されますのでこれにより心拍の推移を解析します。

 

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