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TEAMアティックの 大会参加レポート

サロベツ100マイルレース

7月26日
  • ロードレーサー走行術
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今年のサロベツは、チームからは11名での参加で過去最高でした。参加人数が多いと盛り上がりますね。すごく楽しかったです。当日のレースを振り返りながら、店長が感じたことや、実際のレースの流れを赤裸々(?)にお伝えしていきましょう。

7月26日8時30分、エリートクラスを皮切りに5分ごとにスタートしていくシニアクラスの選手たち。奇しくもこの日はツールドフランス・パリシャンゼリゼゴールの最終日。栄えある第96回ツールの勝者が決する日だが、しかし、それを口にする者は誰もおらず、我々は我々のレースに集中している。S4クラスは4番目スタート。いよいよレースが始まった。

1周目、今年も残念ながらS4クラスは積極的な走りがあまり見られなかった。店長も2周目の勝負ポイントまでは静かに走っていようと思っていたものの、積極性のない走りとセンチュリーランのような走り方にどうにも体が我慢できずに、3ポイントの道道を左折したあたりから前方にポジションを上げて、レースをリードした。

1周目は集団を小さくするために、足に来ない程度のスピードで上りごとにペースアップした結果、2周目に入る頃にはたぶん20人くらいの集団になっていたと思う。(後ろに下がらないので正確な人数は不明)
大規模草地に入ってからも、後述する最初のポイントでアタックに近いペースアップを行う。逃げ集団ができればいいと考えつつも、集団は縦長にはなるが逃げには至らず。本腰アタックではないからやっぱりパンチが弱いようだ。縦一列状態だからそのまま引き続けたが、500mくらい過ぎたところで交代しますと別の選手が出てきた時は希望を感じた。

1周目は、前半にチームの佃さんがどんどん前にポジションアップしようとする走りが印象的だった。

2周目、依然としてローテーションは回らず。回すということを知らないのかしたくないのか、もしくは出来ないのか。先頭がスピードダウンしても2番手が前に出ないのでそのまま集団もペースが下がり、後ろは足を余したままセンチュリーライド。とてもレースとはいえない。
で、業を煮やして私が前に上がりながら走り方のアドバイス(?)をするという次第。(レース中なのに・・)
しかし、先頭引きを終えてラインを変えて左に寄っているのに後ろも一緒にライン変更に従っている。やっぱり知らないのか?

そんな中、前途に一筋の光明を見い出せたのがチーム員和泉沢さんの走り。大規模草地を過ぎて道道に出てから向かい風のなかを後方から上がってくる和泉沢さん。病み上がりなのに、と、ちょっとビックリ。さすがに過去にWウインの経験者は走りが違うなと感心する。
和泉沢さんの動きに合わせて富○君も追随して前方に上がっていく。今年からロードを始めた彼は豊富が初レース。体力的にはまだまだ未知数のところがあるので来年が楽しみだが、積極的な走りの姿勢に少しづつポディウムが近づいてくることだろう。でも、無理は禁物。レースは経験が大事なのは言うまでもない。

その後、2人の積極性に触発されてかどうか、店長も平地でペースアップ。しかし、市内の緑系ジャージの某チームが牽く(というよりただ先頭を走っている)集団はまったく付いてくる気配がない。あいかわらずのセンチュリーラン。こういう時に何人か飛び出すと集団も活性化されてレースらしくなるのにもったいないなと思いつつ、平地は付いてこないから仕方がない、ペースアップは常に上りで行う。

一番きつい700m上りの一つ手前の左カーブで上っていく上り始めで、事前に集団を少し小さくしておくために前方にポジションを上げチーム員の白石君に手でペースアップの合図を送る。ところが彼はロケットダッシュであっという間に1人で行ってしまった。「違うんだよう~、逃げるんじゃないんだよ~」と言っても、もちろん彼には届かなかった。

いよいよ、700mの上りに差し掛かり、4番手で上り始める。左側を10mほど先行していたガーミンジャージの中学生が後半たれてきて(この中学生が最後まで付いてきたのはビックリ、これからどんどん強くなるだろう)先頭で緩い下りに入る。心拍は169だったけど、まだ若干余裕があったので、同じような人が3人くらい居たらここで逃げが決まっただろう。

下りと向かい風が苦手な店長は下りは踏まない。後ろから3人来たあとに、数メートル離れた4人目の後ろに付く。この選手とあとからデッドヒートを繰り広げることになるとはここではまだ知る由もなかった(知っていたらもちろん別な戦法を取っている)。しばらく付かせてもらって、一気に前のほうに上がり先頭を走るも向かい風だからマリアローザに交代してもらう。集団は7人くらいか。白石君も確認。

舞台はいよいよ佳境に入った。左カーブを曲がり勝負どころの大規模草地に入る。どこで仕掛けるか慎重にタイミングを探る。右コーナーを過ぎて最初の上りが終わったあとに一気にいくか、いやいやまだ早い。その頃、白石君はかなり足に来ていたらしい。そうとは知らずに、勾配が少しきつくなった1周目と同じところで、店長、大外から渾身のアタック。今レースはじめてのアタック。スイッチが入り、ここで一気に決めようと考えるも2人付いてきた。1人はあの中学生、もう1人は黒ジャージか、けっこう重いギアを踏んでいる。パワーがありそうだ。

大きく弧を描くように左カーブしたあとのストレートの短い上りでもう一発いく。決まったか、いやまだ付いてくる。中学生も元気がよい。次の左にカーブしながらの上りで、右側風下にラインを取り、当初アタックポイントと踏んでいたここでまた行こうかとも思ったが、いや待てよ、黒ジャージの彼はかなり勝負強い。ここでは足を貯めておくことにする。

その後、いくつかのアップダウンを繰り返し、ゴールが少しづつ近づいてくる。勝負の行方は混沌としてきた。独走でゴールに飛び込む計画は脆くも水泡に帰すのか。いや、まだまだチャンスはある。攻撃は最大の防御。勝利を得るためにはただ攻撃あるのみ。

今年はまったくスプリント練習はしていない。アタックして、逃げるしか勝機はないと思っていた。ゴールまで行ったら勝てないだろうとそう考えていたから、最後、ここしかないと、瞬時に体が反応した短い上りで、地面を睨みながら、もうこれ以上踏めないという限界まで踏んで踏んで踏み倒した。しかし、振り向くと黒ジャージ。ああ、もう駄目だ。逆にペースアップした彼に2~3mリードされる。強い。遠ざかりそうになる彼の背中を見ながら、「2位でもしょうがないか・・」、一瞬、そんな考えが頭をよぎる。ゴールも迎えずすでに敗者の発想。

しかし、直後に家族が救ってくれた。俺は1人ではない。妻と子供と、3人で走っている。負けるわけにはいかない。不思議なパワーがみなぎり彼の背中になんとか喰らいつく。マイナスの思考は一切停止。ただひたすらゴールを目指し勝つことだけを考えた。中学生には、クラスが違うからゴールには絡むな、とお願いする。

下りに入り、60キロのダウンヒル。勾配は5%くらいか。ケイデンスは120回転。トップ13Tは回し切っている。風は追い風。俺にはもうこれ以上ギアがなかったから、ここで行かれたら追えなかっただろう。
下りの最中、頭の中ではゴール前のシナリオが描かれていた。ゴールは上り。距離は300m。事前にスパートの位置も確認している。今はゴールラインしか見えていない。時は満ちた。飛び出すタイミングの200mを修正し、追い風は先行有利だからと上り口300mで一気に仕掛けた。俺にこんな力があったのか。相手というより自分との闘い。ゴールまで持つか。あと100m、50m、30m、左後方にある前輪は近づいてこない。やったあ。やったやった。ゴールラインを切ったその瞬間、やっと終えたという安心感と開放感、そして達成感がこみ上げてきた。感無量。一時あきらめ掛けた勝利がいまこの手に。

3位でゴールした白石君と、風邪の影響がありながらも10位で粘った和泉沢さんとゴール後安堵の思いに浸りながらお互いを称え合った。チームで参加している大きな喜びを感じた瞬間だった。
「お疲れさまでした~」、戦い終えたライバル達が次々と声を掛けていく。「あ、どうもお疲れさま~」、返す返事に、またロードレースの素晴らしさを実感する。レース中はライバルでも戦い終えたら戦友だ。彼らと交わすその時間は日常生活では味わえない至極のひととき。

我々のチーム活動は、一人の結果がみんなの結果。仲間と一緒に参加し、共有できるその環境を何より嬉しく思います。そして、レースには体力に捉われることなく全員が同じ気持ちで望んでいるものと思います。レースでは持てる力を完全投入。練習は80%、レースは120%。普段出せない力が生まれて来るのがレースという檜舞台。店長も同じです。

どのクラスでも私は過去には関係なく慢心することもなく、いつも私にできる精一杯の走りをするだけですが、クラスは違えどもレースは参加する全員が日頃の成果を発揮する真剣勝負の場。走り方を知らないならば、それを伝えてもっとレースらしく走ってもらったほうが面白いと思うし、仮にきついからゆっくりモードでのんびり集団のまま走りたいという人が居るならば、それは真剣にレースに参加している人に対して失礼だと思って走っています。レースとサイクリングイベントは違うから。

私はいつもレースは全力。いい加減に走ったことはないし、目標はあってもその時の結果は走ってみなければわかりません。ただ一つ経験から言えることは、走るからには目標があるのとないのとでは、練習よりも一層きついレースではそこで踏ん張りが利くかどうかに大きく関係してきますから、到達できそうな少しでも高い目標を掲げて走ることはよいことだと思います。

レースは諦めたら負け。弱いところを見せても負けにつながります。自分がきつい時は相手もきつい。そこで勝負できるかどうかで結果がまったく違います。自分がきついところで相手もきつそうだったらそこで攻撃に出る。結果など恐れずアタックを掛ける。慣れていないと勇気が要ることですが、実践するうちにきっとわかるはず。(もちろんトップを走っている時だけですよ)
練習の時からそういう考えが身に付いているならばその選手は必ず成長していくと、私は確信を持ってそう伝えることができます。レースの展開を読む力も身に付き、強い意志とその走り方はこれからのレース活動に必ずや活きてきます。ぜひ普段の練習会などでも実践してみてください。

レースは勝ち負けの世界。動きのある活発なレースは発展します。逆に安穏といつも大集団のまま進行する魅力の乏しいレースは衰退します。未来を担う少年達に感動を与えることのできないレースに、少年達が関心を持つでしょうか。常に前へ前へ、そういう気持ちを持つ選手が一人でも多く増えていく大会にこそ、私は明るい未来を感じる。

そして、レースは安全にスマートにかっこよく。体力に関わらずもっとレースの走り方を知る人が増えていくなら、レース本来の楽しみ方も大きくなっていくはず。経験不足に起因する落車は減ってほしいし、一人一人の意識が向上することで北海道のレースがもっともっと発展していってほしい。いつも心にある切なる願いです。

独断と偏見に満ちたレポートかもしれません。今後、サロベツのレースに参加するときに役立つと思って頂けるようでしたら、どうぞこのレポートを参考にしてみてください。

author:店長

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