ロードレーサーを応援するアティック

メンテナンス教室

アティックのメンテ方法をご紹介します。

ブレーキ系統の調整方法

ここではおもにブレーキの本体、ブレーキキャリパーの調整法についてご紹介します。
キャリパー式ブレーキは、フレームの精度によってはブレーキシューがリムに対して平行に取り付けられない場合もありますが、その場合、ブレーキシューの取り付け角度によっては音鳴りの原因となる場合もありますから、78デュラのように角度調整機能が付いているモデルではリムに平行となるようブレーキシューの傾きを調整してください。ブレーキ系統で一番トラブルが多いと思われるこの音鳴りの詳しい対処法は、以下の「ブレーキシュー」の項目を参考としてください。



1.ブレーキキャリパーの取り付け

まず、フレームに取り付ける前に、アームに貼られているキズ防止のシールを剥がしておきましょう。
最初はぐらつかない程度に仮止め状態にしておきます。このとき両側のブレーキシューをリムに押し当てた状態で行いますが、ここではまだワイヤーを通さないため手で保持しながら仮止めします。後々の作業をスムーズに進めるために、キャリパーのセンター出しが必要なためこのように操作します。
ブレーキシューがリムに当たらないほど下側にずれている場合は適当な位置にシューを移動させ仮止めしておきます。

ワンポイント! アドバイス

ワイヤーをセットしたあとに本締めする際には、片利きを防止させるためにブレーキレバーを握った状態で行い、緩める時も同じくレバーを握ってキャリパーを固定させた状態で行います。この操作方法はスプリングへのダメージも軽減させ、キャリパーのへたりを防ぐという点でもブレーキをメンテする時はいつもこのように操作したほうがよいですね。

2.ワイヤーを装着します

インナーケーブルの固定ネジを緩めていっきに挿入し、ここでも仮止め状態にしておきます。
仮止めする前に、インナーの頭がレバーのブラケットにしっかりセットされているか、プライヤーなどでインナーを引っ張りながら何度かレバーを握ってみてレバーの遊びがないかどうかを確認してみてください。
ここではまだインナーケーブルの出しろの長さは調節しません。作業に支障があるようなら適当な長さにカットします。

ワンポイント! アドバイス

写真はリアブレーキのワイヤー装着写真ですが、もしNewフレームから組む場合にフォークコラムをまだカットしていないフレームの場合は、ここではまだリアのワイヤーは装着させません。ヘッドセットの形状に起因するコラムカットがさらに生じた場合、リアブレーキにワイヤーが装着された状態では作業しづらいからです。
コラムをカットして、ヘッドセットの調整を終えフロントブレーキをまずセットしてからガタのないことを確認したうえで、リアブレーキをセットします。フロントブレーキのワイヤー処理もヘッドセットの調整を終えてから行うようにします。

3.ブレーキシューの位置を合わせます

リムの摺動面に対して高すぎず低すぎず、通常はリムの上端から約1mmくらい下にブレーキシューの上が沿うよう合わせますが、リムの摺動面積が広い場合はブレーキシューが真ん中からやや上にくるようセットします。
ブレーキシューはリムに対して平行となるように取り付けるのが理想ですが、ブレーキレバーを握った状態のまま、一旦シューの固定ボルトを緩めてから締めなおすと作業が楽です。シューを仮止め状態でレバーを離して本締めします。
そして、片側を終えてからもう一方を本締めする前に、キャリパーに向かって一度両側を同時に手でリムに押し当ててみて左右のシューが同じ位置にくるかを確認してみましょう。ずれているようなら再調整です。

ワンポイント! アドバイス

  1. 摩耗したブレーキシューを交換する際に、もしもタイヤも同時に交換する場合は、ブレーキシューの位置を合わせる時にはタイヤを装着していない状態のほうがリムの上端からの距離がわかりやすく位置も正確に合わせやすいですから、面倒でなければタイヤを外してからホイールを一度セットしなおしてブレーキシューの位置決めを行ってもよいかもしれません。
  2. キャリパーブレーキは使い続けていくうちに音鳴りが発生する場合があります。ほとんどがリムが削れたアルミ片が付着していることが原因ですが、特に雨中走行後はブレーキシューの減り方も早く音鳴りの発生率も高くなります。音鳴りが発生した時は一度ブレーキゴムを点検してみてください。アルミの切削片が付着していて、もしそれを取り除いても音鳴りが消えない場合は、ブレーキシューをトーイン(真上から見て前方に八の字型)にできるモデルはその方法でほとんどが解消すると思います。試してみてください。

4.ブレーキシューのクリアランス調整

ブレーキシューをセットし終えたら、キャリパーの固定ボルトを一旦緩めたあとに締め直してキャリパーを完全に固定します。その後、左右のクリアランスが均一になるように、正確に言うと、同時にシューがリムに触れるようにブレーキキャリパーの調整ネジでアジャストします。キャリパーに向かって、ネジを時計方向に締めるとシューが右側に移動します。フロントもリアも同じです。

ワンポイント! アドバイス

  1. シューのクリアランス調整はホイールがフレームのセンターに対し真っすぐ装着されていることが前提です。車体を垂直にして、目測でタイヤの両端部分のクリアランスがフォークや左右のチェーンステーに対し均等になっているかを確認してみましょう。エンドの精度によってはどちらかに傾く場合もありますがその時はハブのクイックレリーズを一旦緩め、傾いているほうをちょっと押してあげてセンターを出してまた締めます。締める時はクイックレバーの位置が変わると締め付けの固さが変わりますから気をつけましょう。傾いたままだと走行抵抗に影響が出ますので必ず修正します。
  2. キャリパーの調整ネジは、廉価モデルの場合、プラスドライバーを使う場合はドライバーのサイズが合っていないとネジの頭をつぶしたりしますから気をつけてください。
  3. ハブのクイックレバーを締める際には、レバー側は好みの位置に固定させておいて常に反対側のナットのほうで微調整させると固さ調整が楽です。クイックシャフトを抜いて再セットする時は、レバー側は必ずギアの反対側にくるようにします。
    また、スポーツバイクに不慣れな方の場合、レバーをネジのように回して固定させているケースをよく見掛けます。クイックレバーは緩すぎると危険ですし、固すぎるとクイックシャフトに負担が掛かります。レバーが適度な固さで保持されるよう締め付け具合を調整して本来の使い方でホイールを固定してください。

5.インナーケーブルの出しろ調整

「ハンドルまわり」の7番に載っているワイヤーのなじみ出しを終えてからインナーケーブルを本締め後に適当な長さで切断しますが、あらかじめ目安となるものを決めておいてもいいかもしれません。キャリパーを開くクイックレバーは開けておいたほうが作業がしやすいです。
インナーを切断する際は、ほつれないよう切断する箇所にテープなど巻いておくと安心ですね。一旦切断したあとに長さを調整するときなども、テープを巻いておかないと細かいワイヤーがバラバラになって大変です。

ワンポイント! アドバイス

インナーケーブルを本締めする際は、廉価モデルの完成車にセットされている台湾製のブレーキの場合、締め付けトルクが高すぎるとネジが簡単になめてしまうケースがあります。こちらのブレーキをメンテナンスする際は十分に気をつけて作業してください。

6.ブレーキタッチの調整

ブレーキレバーを握った時の感覚は浅めがいいか深めがいいか、好みのタッチにこのネジで微調整します。ブレーキシューが磨耗してブレーキングの感覚が変わってきた時もここで調節します。


 

7.エンドキャップの取り付け

インナーケーブルがほつれないようエンドキャップを取り付けて終了です。