[トップ]>>[ら行]

ローテーション

ローテーションは文字どおり回すこと。本番のレースでも練習会でも集団走行する時には先頭を交代しながら車列を回すのがロードの基本。でも、ことレースとなると困ったひとも出てきたりする。

困る原因はローテーションが回らないこと。集団の先頭走者は最も大きく空気抵抗を受けている。だからローテーションを崩す人は体力の消耗を避けるためにそれを嫌ってわざと先頭に出ようとしないのだが、これはホビーレーサーの中堅クラスに多いように思う。
もちろん実業団などの高いレベルではそんなことは許されないためそういうシーンはまず見掛けることがない。ビギナークラスでも次の選手が前に出てこないケースもあると思うけれども、ビギナークラスではそもそも先頭を交代しながらローテーションをするということ自体わからない人も多いからこのクラスは仕方がないのです。ビギナーのクラスはレースの基本を学んでいるまだ途上にあるのだから。

ホビーレースでは、力を出し惜しみしながら走る選手の多いレースは観ていてもつまらない、と思う。おそらく観戦している方の多くがそうだと思う。周回レースで毎周毎周団子のかたまりのようにただ集団が通過していくだけのレースは観ていても面白くない。
ゴール前最後だけ出てきてよい成績を収めても、本人は満足できても観客側からみたらどうだろうか。またあの選手かと。やっぱりホビーレースであっても積極的に展開されるレースのほうが観ていても楽しいし、そのほうがMCの実況にも力が入って会場も盛り上がるというもの。登録レベルのように誰かがアタックを掛けたらそれに追随して前のほうで集団を形成する。そして逃げ続ける。捕まったらまた誰かがカウンター(アタック)を掛ける。そういう意識がなければいつまでも団子レースのまま。中堅クラスでも全員がおなじ体力ではないのだから、もう少しレースに動きがあってもいいと思う。

ちょっと辛口発言続いています。

レースの活性化を望むならば、経験によってある程度の技術と実力を身に付けたなら、レースに参加する時にはしっかりとローテーションに加わる意識で参加してほしい。何度もいうけれど、ローテーションは集団走行では基本となることだから。前に出るのが好きとか嫌いではなく、レースはローテーションをしてこそ成り立つものだから。

閑話休題。

つい本題から外れてしまった。お許しを。ローテーションはまず経験を積み重ねていくことが大事だ。走行スピードによって、また、レースでは参加するクラスによっても先頭を交代するタイミングが変わってくるけれども、理想的なのは、その集団の全員が均等に先頭交代に参加すること。ただしあまり長く引く必要はない。

レベルの高いレースでは、集団が落ち着いている場合、前方では2列で大きな輪のように回っていることもある。でも、ホビーレースでは先頭交代に参加しているのは前から大体10人くらいまで。メンバーも大体同じ顔ぶれ。これは意識の違いが行動に表れるのか。だから少し疲れてきたら一度後方に下がって足を休めるのもいいでしょう。これもレースでは必要なこと。が、ここで注意しておかなければならない大事なポイントがひとつある。いや2つある。

ホビーレースでは、いくら疲れていても、スピードが上がっている時には後方に下がり過ぎるのは避けたほうが賢明だ。なぜだろうか?
これは、集団が中切れなどで分裂してしまった場合は後ろに取り残される危険性もあるから。中切れは筆者も痛い経験がある。しかも国際レースで。

あるレースでのことだった。下りのコースで、元々下りは得意ではないため後方に待機しながらまあそれでも下りだからと安心していたら、その後平坦を終える頃、前の様子が見えはじめたことで私は非常に焦った。こちらはまだ平坦、先頭は上り始めているからその様子がよくわかり、あろうことかなんと集団が真っ二つに分かれている。そんなこととは露知らず、しばらく集団の後方でのんびり走っている私であった。

しかし、その光景を見るやいなや慌てて追い掛けたのです。審判車をうまく使いながら必死の形相で追いました。

おそらく上り始める手前でアタックが掛かったのだろう。もちろん審判車にドラフティングすればそれはすぐにペナルティ。そこで、審判車を追い越しざまに横すれすれのところで数秒間空気抵抗を避けるのだが、これだけでもずいぶん違ってくる。車体に隠れるかどうかの微妙なテクニックが要るけれども、前を追い掛けている必死なこのような状況ではこの程度は許してくれるだろう(たぶん。責任はもてません)。確か2台くらい利用して、その後、集団のペースが落ち着いたことで事なきを得た。

こういうケースもあるから、意識して後方に下がる場合は展開をよく把握しておく必要がある。周回レースなどでアタックポイントが近づいているときも同様だ。その地点に達した時に誰かがアタックすることによって集団のスピードが上がる可能性もあるからだ。(そのコース上でどこがアタックポイントかわからないと難しいけれど・・)
後ろの集団に残された場合、一人で前を追うのは容易ではない。本来使わなくともよい無駄な体力も強いられる。くれぐれも気をつけたい。

そして、2つめ。後ろには下がりたいけど、最後尾までは下がりたくない、しかし車列が長くなっていてなかなか隊列に入れそうにない。こういうケースもあるでしょう。そのような時には手で合図を出して入れてもらおう。場合によっては、ほどよいところで強引に(かつ上手に)入るが、もちろん落車する危険性のあるような割り込みはやりすぎです。気をつけよう。入れてくれない場合は自分は先頭交代に参加しているからと、笑顔で説得しよう!

さて、別の側面からもローテーションを見てみよう。今度はローテーションする際の位置取りについて。

ローテーションは風向きによって隊列の位置を変えるとよいのだが、ホビーレースではまず見掛けない。風が右からなのか左からなのか、風向きを考え風下に隊列を斜めに組むことで交代もしやすくなるし、前の選手に隠れて風を受ける面積を少なくすることで少しでも風の抵抗を抑えることができる。風を計算して走る車列の方法はあらかじめチーム練習などでしっかり練習しておけばよいと思う。(個人活動では無理だがチーム活動はこういうメリットもありますね)

そして、集団走行では風向きを逆手に利用する場合もあるが、これはチーム戦略として、あるチームが集団をコントロールしている時に、わざと先頭選手が風下側の道路の端ぎりぎりにラインを取ったりする。(チームの動きとしてでなければ意味ないが、というかしない)
もちろんこの位置では、風の抵抗を少なくする隊列の恩恵を受けることはできない。各チームにダメージを与えることができるからとてもうまい作戦だ。集団が大きい場合、レース途中でふるいに掛ける時にも使われるかもしれない。中切れが起きやすくなるからね。そして、もしも後方からアタックする場合はわざわざ風の抵抗の大きい風上にまわらなければならないから、この位置取りはアタック防止にも効果大である。

アタック防止でもうひとつ。そもそもアタックは向かい風や追い風よりも横風の時にこそ成功する確率が高い。真横の風の場合に先に逃げているチーム員をアシストする時にもこの位置を走ることもあるだろう。真横からの風では全選手が均等に風の抵抗を受けることになる。アタックとは他の選手よりも少し余裕がある時に動くのが普通である。よってチーム員をアシストするためのアタック防止にはさらに効果大なのである。
とはいっても、やはり先頭が一番走行抵抗が大きいことに変わりはないので、このアシストにはチームのために犠牲になるくらいの献身的な走りが要求される。そしてその後働きを終えたこのアシストはここで潰れてしまうかもしれない。しかし、これこそがロードレース。チームワークが存在する本来のレースである。この働きはアシストとしての高い評価を得るだろう。

ローテーションについては、レースによっては戦略で特定のチームが先頭を固めている場合もあるから、その場合はそのチームに先頭交代を任せます。しかしゴール前などは逆にそのローテーションを壊すために割り込んだりするケースもあって、この場合はトラブルに発展することもあるようだから気をつけよう。

それと、ホビーレースでは、ローテーションの最中に落車事故が起きたりすることもあるが、先頭を交代する際には後ろの選手の前輪が被さっていないかどうかをよく確認しよう。少し目線を下に移すと確認できる。ラインを変える方向に後ろの選手の前輪が重なっている場合、急にラインを変えると、自分は大丈夫でも後ろの選手が確実に落車してしまう。くれぐれも確認してからラインを変えよう。

急なライン変更は、先頭交代に積極的でない後ろの選手を前に出すときのテクニックの一つでもあるが、その際にも車輪が重なっていないかどうかだけは絶対に確認しておこう。前に出させたい場合は、後ろの選手が同じラインを取れないよう横に大きく移動したら速やかに減速します。