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アティック店長の ロードバイクブログ

世界に1台のオーダーメイドバイク

2017年11月2日

世界に1台のオーダーメイドバイク

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ロードバイクへの関心が高まってくると、おそらく、このような思いを抱く方も多いのではないでしょうか。世界でたった1台の、自分だけのオリジナルバイクがほしいという、その切なる願い、よくわかります。

店長もこれまで14台所有したスポーツバイクのうち、3台はクロモリのオーダーバイクでした。1台目は、人と違ったバイクに乗りたいと選んだのが26インチのロードバイク。ホイール径は650C、上りに有利で踏み出しが軽かった。初入賞した修善寺でのチャレンジロードは、このバイクのおかげで好走できたのかもしれない。でも平地は×。径が小さくなるほど不向きです。昔、TAで24インチが流行った時代があったけれども理由がわからない。

あとの2台は、オリエント工業の「VOGUE」。オリエントに入った時に作ったのと、その後京都でもう1台作って、VOGUEは私の自転車人生で掛け替えのないバイクとなりました。

VOGUEはレースでいつも私と共に戦ってくれて、このように落車でトップチューブにダメージを負いながらも頑張って走ってくれた良いバイクでした。今回もオーダー頂いた時に、VOGUEのご指名だったのでとても嬉しかったのですが・・。

さようならVOGUE、そしてイタリアの風「Emme Akka」

さようならVOGUE、そしてイタリアの風「Emme Akka」

今回のオーダーバイクは、事情があってEmme Akka(エンメ・アッカ)で作っています。Emme Akkaは岩手のビルダー、ビチスポーツ モリアイさんのブランド。彼がLEVELに居た東尾久の頃からの付き合いで、もうかれこれ37年になる。若かりし頃、深夜、自転車で岩手へ向かっていた時に同じく帰省途中の彼に埼玉の路上でばったり出会った時は驚いた。何か因縁があるのかもしれない。

私がショップを開いてから、Emme Akkaのオーダーは今回で3回目。実は最初に予定していたVOGUEのフレームは、ご病気のため今後はもう見ることができなくなってしまった。とても残念なことだが、ハンドメイドのVOGUEの名は、多くのオーナーの心に、これからも永遠に残り続けることだろう。

Emme Akkaはその名のとおり、イタリア時代にROSSINで培った彼の考えが色濃く活かされていて、同時に、匠の技ともいうべき日本の技術が注ぎ込まれている、日本とイタリアの自転車作りを融合したフレーム。以前はカーボンも手掛けていらっしゃったが、あの震災ですべてを失ってしまい今は製作していないようだ。数々の試練を乗り越え、現在は、スチール、チタン、アルミと復活されている。

アティックで注文しているのはすべてスチールですが、店長はチタンも気になります。チタンが出始めた当時は、マスプロのP社で作るフレームはダウンチューブによく亀裂が入ったものでした。チタン製のBBシャフトを店長も折ったことがあるので、当時は自転車機材としてチタンはまだ成熟していなかったのでしょう。でもチタンの良さを聞くにつれ、興味津々、とても気になってしまう。チタンだけは乗ったことがないので一度は試してみたいものです。

スチールフレームの特徴あれこれ

ところで、今回のフレームは、使っているパイプはコロンブスのSL。材質はニバクローム鋼(ニッケル・バナジウム・クローム鋼の略)で、ニバクロームは、OSチューブ(オーバーサイズで、トップ28.6mm/ダウン31.8mm)のZONAよりも、ノーマルチューブ(トップ25.4mm/ダウン28.6mm)でありながら1.2倍以上の強度があるようです。

スチールフレームに関心ある方に、製作に関することを少し書いておきましょう。OSのZONAは一般的なクロームモリブデン鋼(略して通称CrMo)。強度の高いニバクロームのほうで、見慣れている太さのOSチューブのほうがよいなら、スピリットというモデルもあります。OSよりも太いメガチューブも選択できます。

ただし、ラグドフレームを希望される場合は、ラグの角度からジオメトリーに制約が出てきますので、例えばスチールでありながらスローピングがよいという場合は対応できません。サイズが400ミリ台とか小さいフレームで、700Cを履きたい場合にスローピングの選択肢しかない場合も同様。メガチューブも不可。

ラグはワンオフで作ることもできるようですが、仕様によってケースバイケース、相談となります。ラグ付きで製作できない時はラグレスとなります。彼のフィレット仕上げはきれいです。強度はラグありのほうが高いけど、走行感は双方乗り比べてもほとんど違いは感じられないと思います。Emme Akkaに興味おありでしたらフレームの仕様はこちら

フレームのスケルトンは、よっぽど特殊な使い方をされない限りは、フレーム屋さんにおまかせしたほうが安心です。スチールは他の素材に比べて距離が長くなればなるほど疲労軽減に適している素材なので、今回のようにフレームサイズが大きいケースでは、視覚的デザインを重視するなら他の素材よりはホイールベースを短く設計することもできるかと思います。

今回の設計図では、設計意図はわからないけれども原案ではリアセンターは405mmで割と短めでした。使用するタイヤのサイズ25Cを前提に設計したと思われます。この寸法でもよいけど、一応、今後のことも考慮しリアセンターは5mm長くして設計しなおしてもらいました。スチールのオーダーメイドはこういう柔軟な対応にも適しています。

スチールフレームのよいところ

スチールフレームのよいところ

スチールフレームは、落車でエンドが歪んでしまった場合も簡単に修正できるのが大きなメリットですね。落車でなくとも右側にバイクが倒れてRDを直撃した場合にエンドが曲がってしまうケースもあります。そうなったらアルミやカーボンはエンドハンガーを換えなければなりません。

まだリプレイス化されていなかった頃は、エンド曲がり=廃車というケースもあったでしょう。今はフレームの台座にダメージを受けない限りは、そういう最悪のケースは避けられるので安心ですが、試しに一度、お客様の了解を得てから駄目もとでリプレイスエンドの修正を試みたことがありました。結果はやっぱり駄目でした。ハンガーにクラックが入って修正はあえなく断念。リプレイス式は曲がったら素直に換えたほうがよいようです。

でも、スチールなら曲がっても大丈夫。プロショップに持ち込めば、折れていない限りはほぼ完全に修正できると思います。ちなみに、アルミでも頑丈なフレームは直せる場合がありますね。リプレイス化される前のワンピースエンドのフレームでしたが、店長はCARRERAで1件直したことがあります。それ以来、CARRERAには大きな安心感を抱いているというのはここだけの話。

修正工具はセンターチェックのツールも兼ねていて、今回はエンドの平行度もぴったり出ていて補正もまったく必要なし。技術の高さが伺えます。

BBシェルのタップ掛け

BBシェルのタップ掛け

オーダーメイドのフレームは、部品組み付けの前にいくつか下準備がありますが、その1つがBBシェルのタップ掛け。BBのタップ掛けでは、店長、痛い経験があります。ショップを始めた頃に、まだ経験不足だったのでしょう。アルミフレームのBBにタップを掛けている時に、切りくずがねじ山に噛んでしまって工具が動かなくなってしまったことがありました。オーダーバイクではあったけどフレームはオーダーではなくマスプロのアルミだったので、しょうがないからもう1本注文して納車しましたが、ずいぶん代償の高く付いた経験でした。

この時は、外側に出てきた切りくずも取らずにそのままタップを通していたのと、切削油も関係していたと思うので、それ以来切削油はたっぷり注ぎながら行ってますが、アルミのシェルに比べてスチールはタップ通しも楽です。

ハンドメイドのフレームは、治具にフレームをセットしてセンターをチェックするため、塗装に出す前にBBをフェイスカットしてシェル内も一度さらってますが、それでも写真のように切りくずはまだこれくらい出てきます。アルミはもっと量が多いですね。アルミは特にあのアクシデント以来、いつも慎重に作業しています。



ここから先はちょっとした屋根裏ばなし。先ほどのアクシデントでBBタップ工具が抜けなくなってしまったのは、戻そうと力を加えた時にバキっという音とともに、シェル内で工具が割れてしまったためでした。この時は工具が不良品かと思ったけど、検索して調べてみたら同じことを経験したショップさんもいらっしゃったので不良ではないようです。

しかし、アルミとはいえ、ねじ山の固定強度がいかに高いか思い知らされて、BBはフレームの中で一番力が掛かる部分ですから、逆に変な安心感を持ってしまいました。

実はそのフレーム、盛合さんに送って噛んでしまった工具を外してもらったんですが、私には思いも付かない方法で外してくれました。さすがはフレーム作りのプロ、工具にも精通しています。その技に心底関心した次第です。

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